Moi, je... コミュニケーション A2
2025年2月に改訂版が刊行されます。
レッスン目次に変更はなく、アクティビティの指示文にすべて和訳がつきました。
旧版を使用した授業でのフィードバックをもとに、各課の内容がよりシンプルに分かりやすくなりました。
コンセプト
A1レベルの基本的な日常会話を習得したら、A2レベルではより高度な会話をこなしていくための戦略を学びます。すぐに役立つ実践的なアプローチを用いるので、学生もやる気を刺激されます。
戦略的会話の必須スキルを学ぶ
まず「Compétence」の各課で、発話内容を整理しシンプルにする練習を行います。これは外国語で作文と会話をするための必須スキルとなります。
スキルを応用する
次に「Conversation」の各課では、そのスキルを応用して更に複雑で興味深い会話文に挑みます。作文及び口頭表現の両方で練習します。
A2の学生へのコミュニケーション教育
フランス語に自信を持てない学生に教えるときの5つのヒント
ワークショップ動画
イミディアット・メソッド(以下IMと略)はどちらかというと1年生の初心者に向いている手法ですが、本教材の主著者のシモン・サルヴランは、「IMに続く手法」について10年来の研究を続けています。彼は2018年にそのアプローチの基礎を築いた論文を発表し、同年のSJDF奨励賞を受賞しました。本教材はその手法に基づいて制作されています。
2022年9月25日に開催された第20回表現主体の外国語研究会でも、そのアプローチと教科書についての発表をされました。以下の動画からその様子をご覧いただけます。
教員用補助教材
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教科書についてのQ&A
1.『Moi, je... コミュニケーションA2』の対象レベルは?
この教科書は、大学や語学学校などでフランス語を2年目に学習する方のレベルに設定されています。また、ライティングとオーラルによるコミュニケーションの習得に重点を置いているため、2年目以降のより高いレベルの学習者に対しても使用することが可能です。
2. この教科書には何回分のレッスンが収録されていますか?
このテキストには24課が収録されています。これは、90-100分の授業で、1学期に12課進むことを想定した構成です。
3. シラバスのサンプルはありますか?
はい、コピーして貼り付けることが可能なシラバスをご用意しています。本冊子のデジタル版をご覧の方は、こちらからシラバスへアクセスしていただけます。
4. この教科書のコンセプトは?
フランス語学習の1年目(『Moi, je… コミュニケーション A1』)は日常的な話題に関する簡単な会話をテーマにしていましたが、2年目になると会話を成立させるための戦略(ストラテジー)を身につける必要があるでしょう。直接的で体験型のアプローチは学生にも好評です。本教材の目的は、以下の通りです。
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外国語での会話において鍵となる能力を学生に習得させること。その能力とは、描写や説明、論理の簡略化、あるいは情報に優先順位をつけたり、オーラルおよびライティングで用いる表現を整理することなどを指します。
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これらの能力を実際の会話に適用させること。これは、フランス語での会話に常に存在する文化的な特徴を考慮しつつ、いかにしてフランス語話者と会話をすることが可能か、その方法を学ぶことを意味します。
5.どのような内容が収録されていますか?
2種類のレッスンが交互に収録されています。
「能力習得レッスン(Compétence)」では、学習者はまずライティングとオーラルコミュニケーションにおける必須スキルを学びます。外国語で話す際にどのように情報を整理し、簡略化することができるかを習得するのです。
「会話レッスン(Conversation)」では、これらのスキルを応用し、実際に会話をすることを学びます。この会話の内容はレッスンが進むごとに、より一層豊かで興味深いものとなっています。この作業は、ライティングとオーラルの両方で行うことが可能です。
6. この教科書は、学習2年目の「基礎」フランス語の授業に向けて作成されたものですか?それともフランス語学科など言語を専門的に学習する学生のためのものでしょうか?
どちらのクラスにも対応しています。元々教科書の内容は専門的にフランス語を学習しないクラスに向けたものとして設計されましたが、その後、より高度なレベルの学生を対象にテストも行われました。教科書で用いられているアプローチが柔軟であるため、この教科書はA1-A2、あるいはB1の学生にまで対応可能なのです。
7. 学生はオーラルとライティング、どちらを多く取り組むことになるのでしょうか?
本書のアプローチは、ライティングとオーラルによるコミュニケーションを両者ともに取り組むことを推奨しています。A2レベルでは、自分の考えを話す前に、まず自身の考えを「文章にする」必要がしばしばあります。コミュニケーションの練習をライティングによって準備することは、学生が実際にフランス語を話す際に役立つと言えるでしょう。言葉で述べることは、モチベーションのひとつとして働きます。それにより、学生は会話で使いやすいシンプルで正しい文章を書いてみようという気になるのです。とはいえ、クラスの状況や学生の希望に応じて要望は異なるかもしれません。この教科書で提案されているアクティビティは柔軟性と多様性に富んでいるため、そうした場合は教員の皆様のご判断でライティングあるいはオーラルのどちらか一方を重点的に取り組んでいただくことも可能です。
8. 教科書のWebサイトには何が掲載されていますか?
教員の皆様と学生が必要とするあらゆるリソースが掲載されています。
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学生用のサイト:オーディオトラックと一部のアクティビティの追加資料
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教師用のサイト:デジタル版教科書、練習問題の解答、指導のヒント、集中的に行われる語学の授業(週2回授業がある場合など)のための追加アクティビティ
9. なぜ対話文はレッスンの最後にあるのでしょうか?
「会話レッスン」の冒頭には質問があり、学習者はそれに答える必要があります。教科書には模範解答が掲載されています。これは、簡単なフランス語で書かれているので、学習者はそれを参考にしつつ、自分たちで答えを考えることが可能です。最後に掲載されている対話文は自然かつ時には口語的なフランス語で書かれており、扱われているテーマは模範解答のそれと同じものですが、模範解答が学習者に会話で「使える」フランス語を提供するのに対し、この対話文は学生が「理解すること」だけを目的にしています。これは、学習者が使用するフランス語と、ネイティブスピーカーによるより複雑で多様なそれの違いを考えるために役立つと言えるでしょう。また、レッスンの最後に対話文があることで、学習者は既に同様のテーマに関する語彙や文法に馴染みがあり、より複雑なフランス語であっても理解が可能になると考えられます。
10. この辞書のイラストは何のためにあるのでしょうか?
これは、辞書の助けを借りずに取り組む必要があることを表しています。そのねらいは、学習者を自分の知っているフランス語でなんとかコミュニケーションを取らなければならない状況に置くことです。これは、学習者がネイティブスピーカーと交流する際に出くわす状況です。こうした状況は学生にストレスをもたらすでしょう。とはいえ、このストレスは有益なストレスと言えます。これにより、集中力が高められ、授業で習った文法や語彙を使わざるを得なくなるためです。長期的な視点で言えば、できるだけ多く有用な語彙を暗記しようという動機付けにもなるのです (本冊子6ページを参照)。